取材レポート
2021.12.23

現在のホームページの立ち位置と、オンライン会議システムの活用法とは

有限会社 詩季
代表取締役 佐藤 宏隆 さん
(当所IT 専門相談員)

 

昨今のコロナ禍により、販促や集客、営業活動等でデジタルツールを活用する企業も多く見受けられます。ITコーディネータの佐藤氏のもとには「ホームページを低コストで作りたい」「リモートでの打合せに対応してほしいと顧客から求められている」などといった相談が寄せられています。今回はホームページとオンライン会議システムの活用方法についてアドバイスをいただきました。


ホームページを自分で「育てる」意識を

 

かつて、ホームページ(HP)は会社の看板的役割を担い、どちらかと言えばインターネット上で見つけてもらう受け身のものでした。しかし、AI(人工知能)技術が台頭する現在、検索結果の上位に表示されることは容易ではなく、HP単体ではターゲット層に見つけてもらうことも困難です。インターネットは世界中の人の目に触れる可能性を広げますが、自分たちの商品・サービスを買ってほしい顧客に訴求できなければ効果的とは言えません。HPへの導線を作る必要があるでしょう。

よく無料でHPを作れないか尋ねられることがあります。たしかにレイアウトやデザインがテンプレートのものでよければ無料で作ることもできますが、有料版と比べ、独自のドメインが取得できなかったり、編集・更新できる箇所が限定的だったりと制約がつきます。無料版が決して悪いというわけではありませんが、それだけで販促や集客に繋げるには不十分だと思います。

特にこれから新規でHPを作る場合はどうしても後発となってしまいますので「何を」「誰に」売りたいのかを整理し、伝えたいことを明確にする必要があります。作って終わりではなく、日々、情報を更新し続け「自分でHPを育てていく」という地道な努力によってHPへのアクセスが増えていくのです。リアルタイムで情報発信できる「LINE」や「Instagram」等のような即効性のあるSNSとリンクさせるのも導線を作る手段の一つです。

 

オンライン会議で広がる新たなビジネスチャンス

 

オンライン会議システムは、瞬く間に普及しました。最近、私のもとには企業だけでなく、町内会や学会等からもオンラインイベントの機材セッティング・運営方法の相談が増えてきました。

佐藤氏は様々な企業・団体のオンラインイベントをサポートしています。

 

本支店間の内部打合せのほか、リモートでセミナーや講演会を受講することに、違和感がなくなりつつあります。オンラインだと地理的・時間的制約から解放され、移動の負担もなくなるため、これまで「時間の都合が悪い」ため見送っていたものが、「ちょっと気になるから」「オンラインだし聞いてみよう」と心理的ハードルを大きく下げました

逆に、オンラインだと臨場感がなく、場の空気を読んで発言することのハードルが上がったように思います。「リモートは営業の熱意が伝わらない」と心配されるように、物事を決定する場面には向いてないかもしれません。ただ、会社説明会に来てもらう前のファーストコンタクトとして活用するなど、こちらからの情報をまず一通り伝えたい時にはもってこいで、相手と接点を持つ意味では大いに活用すべきです(もちろんコミュニケーションが発生した方が素晴らしいです)。

オンライン会議システムの活用によって顧客ターゲット層が広がる可能性もありますので、リアルとオンラインそれぞれの利点を活かし、使い分けるようにしましょう。

 

デジタル化をすることがゴールではない

 

コロナ禍によってデジタル化の進展に拍車がかかり、今後は「電子帳簿保存法」や「電子インボイス制度」が適用されるなど、否応なしに適応していかなければなりません。

しかし、デジタルツールはあくまで手段です。HPは自社の情報をアーカイブし、自身の価値観等を伝えるものでしかありません。ツール導入を後押しする補助金が国や行政から出ていますが、補助金を利用することが目的となってしまっている方もいます。デジタル化を失敗させないためには「デジタル化×経営」の観点で捉えなければなりません

我々IT専門家は、業務の棚卸しから一緒に整理し、目的達成のためのご相談に対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。