取材レポート
2023.02.13

ITベンダー(3/6生産性向上ツール体験フェア出展者)に聞く上手なデジタル化

「IT導入補助金」は企業が抱える課題の解決や業務効率化、生産性向上を目的に、ITツールの導入費用を補助するものです。この補助金は、ITツールを取り扱うベンダーのサポートを受けながら二人三脚で申請を進めていくという特徴があります。今回は、県内ベンダー2社の担当者からお話を伺いました。


福井ネット株式会社 DXグループ
マネージャー  松内 昇さん(左)
DX企画チーム 波嵜優也さん(右)

 

私たちは福井銀行グループの一員として、グループ内のインフラ整備や代金回収サービス等を行ってきました。近年は、「お客さまのITの相談を聞いてほしい」という銀行担当者の依頼が増え、グループ外のニーズにも応えるためDXグループを立ち上げました。

お客さまの課題をお聞きする中で、「営業・製造・管理すべてを担う社長さま」や「熟練の技でExcelを使いこなす担当者」等、福井を支える様々なプロを目の当たりにしてきました。ただ、業務を抱え込むと時間に追われ、属人化や陳腐化に繋がります。そこで、ITツールを導入することで業務の可視化や効率化、生産性向上が実現できます。

ご支援する機会が多いのは、勤怠管理・社内コミュニケーション・案件や販売管理のデジタル化です。普段の行動を棚卸しすることで、タイムカードを打刻し、経理担当者が月次集計して、経理部長が承認する一連の流れが見えてきます。この流れをデジタル化することで、月次集計や承認作業は不要となり、ミスの防止や負担の軽減が図られます。

お客さまに寄り添い、現状を整理し、一緒に夢を描き、具体的な計画に落とし込みます。サービスありきではなくお客さま本位のIT導入をサポートします。様々な課題解決を行う地元の銀行グループだからこそできるご支援に取り組みます。

業務における、デジタルツール導入によってできることと、その効果の具体例


三谷産業株式会社 情報システム事業部
福井支店 支店長 木村太一さん

 

当事業部は、北陸三県の顧客を中心に、デジタイゼーション(例:紙をデータに)やデジタライゼーション(例:データの統合・連携)の支援をして参りました。福井のお客さまには、デジタル化の検討・構築・運用を自社人財が中心となって行う、内製を積み重ねてこられた歴史を感じています。

一方で、段階的に内製を重ねてきたデジタル化は構造の複雑さを招く要因ともなっており、「ブラックボックス化してしまい、若干の機能追加や修正も怖くてできない」という状態のレガシー(長期間使用した)システムを再構築したいというご相談も多くいただきます。非常に複雑で、社内の多岐にわたる業務をカバーしているシステムも多いため、「どの企業・組織にもある業務プロセス」「自社の強みで他社にはない業務プロセス」のいずれであるのかを整理し、前者は既成のパッケージやクラウドサービスに置き換えることが効果的なケースも多く見られます。

例えば、今年10月から始まるインボイス制度への対応では、請求業務に特化したパッケージやクラウドサービスが多く存在します。現状と比較して、業務プロセスは変わってしまうかもしれませんが、請求書の代行送付サービスや、電子請求書対応などをシステム・サービス側から提供可能であり、大きな合理化が図れるものだと考えます。逆に後者は、強みを失わないよう個別開発やカスタマイズをしてでも、システムを再構築する必要があります。

この全体感を意識して取り組み、成果を上げているお客さまでは、複数の業務部門を経験した人財を、デジタル推進責任者として位置付けているという特徴があります。部分最適に陥らないように、他部門、現場、顧客など、様々な視点で業務プロセスの関わり・繋がりを意識しながら全体最適を目指して推進されてきたことで、大きな成果をあげているのではないかと思います。

 

≪デジタル化のポイント≫

●デジタル化は100%にこだわりすぎない!

●デジタル化すべき部分とアナログで残すべき部分を見極める

●あらゆる自社業務に精通した人財がIT 人財として適任

 


IT導入補助金の対象ツールが集結!

3月6日(月)生産性向上ツール体験フェア

 

当所では、ITベンダーと交流しながら業務効率化に向けた省力化やインボイス制度、電子帳簿保存法への対応に活用できるデジタルツールをその場で見たり触れたりできる体験フェアを開催します。
今回は、福井県内に拠点を構えるITベンダー(IT導入補助金の対象ツールを取り扱っている企業)7社が出展します。身近なITベンダーからツールに関する情報をまとめて収集・検討できる機会です。

フェアでは、ブースに分かれた出展者(IT ベンダー)からツールの機能等について、
デモを見ながら理解を深めることができます。
(写真は昨年度開催した「スマート工場ミニ展示会」の様子)

 

また、会場内にはITコーディネータが駐在しますので、「インボイス制度って何をすればいいの?」「デジタルツールによって効率化できる業務はあるかな?」などのご相談にも対応いたします。詳しくはコチラをご覧ください。