株式会社glow
代表取締役CEO 嘉門 大助 さん
㈱glow（坂井市丸岡町熊堂3-7-1-16福井県産業情報センタービル８階）の嘉門社長は、福井県で初めてYouTube上で2Dや3Dのアバター（キャラクター）の姿で動画配信するヴァーチャルユーチューバー（Vtuber）のプロダクション事業を立ち上げました。
同社ではVtuberによる福井の魅力発信や地元企業のPRのほか、様々なアプリ・ソフトの開発を行っています。今回はユニークなデジタル技術を活用する動きや事例等について、嘉門社長に紹介していただきました。
企業や地域のPRなど活躍の幅を広げるVtuber
インターネットを利用すれば誰でも地方から全国、さらには世界中に向けて情報発信ができます。様々なプラットフォームで絵や歌を披露する方もいれば、独自のシステムやAIを開発される方もいらっしゃるなど、世の中にはそれが本業かどうかに関わらず、優秀なクリエイターの方がたくさんいらっしゃいます。
人前に出るのが得意ではなかったり、特技を披露できる環境にいないという方であっても、それを表現でき、評価される場所があれば、自信をつけ、さらに活躍の場を広げることができます。当社ではデジタル技術を駆使し、クリエイターの方が社会で活動できるきっかけを作りたいと考えています。
Vtuberもまたクリエイターであると考えており、地域や企業のブランディングに貢献できる存在です。今やVtuberは全国に２万人以上いるとされており、若者を中心に馴染み深い存在となっています。広報活動の一環として、Vtuberとのコラボ動画を発信する企業や行政も見られます。
同社が運営するヴァーチャルユーチューバーグループ「学窓ハクメイ」に 所属するVtuber も県内飲食店とコラボし、集客に貢献しています。
採用や人材定着でも成果を出せるデジタルコンテンツ
リクルート用にオリジナルキャラクターを作ってほしいと依頼する中小企業の方も見られるようになりました。中には、採用募集ポスターに自社のユニフォームを着たキャラクターを起用したところ、リクルートイベントでブースに来訪する学生が増え、応募数も昨年の倍近く増えたという方もいらっしゃいました。
Memorynator ㈱（坂井市）が制作した㈱松浦機械製作所の公式キャラクターと リクルートページ。若者向けプロモーションとして活用されています。 ㈱glow も同社の協力先として県内企業のキャラクターデザインを手掛けています。
福井には魅力ある中小企業がたくさんありますが、会社説明会やインターンシップに参加しなければ、その社風や仕事内容を体感できないというハードルがあります。少しでも自社に興味を持ってもらえるきっかけになるのであればと、キャラクターの活用を検討する採用担当者の方が増えていると感じます。
次は、動画共有プラットフォームで見られる「スーパーチャット」と呼ばれる投げ銭システムから派生したシステムについてご紹介します。
皆さんは「投げ銭」をしたことがありますでしょうか。路上等で楽器演奏や手品などを披露するパフォーマーの方に対し、金銭等を送る行為が「投げ銭」です。ネットの中では、お気に入りの配信者へ今後の活動を応援すべく現金の代わりに電子マネーを送ります。
これを現実の接客現場に応用したものが「Throwin（スローイン）」です。利用客が接客を担当した従業員にネット上から投げ銭できるサービスで、人員不足や従業員のモチベーション向上に課題を感じていた県内の飲食店にてテスト運用しました。
導入した結果、アルバイトの方が積極的にシフトに入るようになったり、これまで以上に人から見られているという意識が働き、接客業務に磨きがかかるなど、従業員のモチベーションアップ等の効果が得られました。
ネット上から投げ銭できる同社の「Throwin」。
クリエイターとともにデジタル技術の発展を目指す
今回ご紹介したデジタルツールや取組み等は、YouTubeなど毎日のように大勢の方が視聴するコンテンツのおかげで、受け入れられたと思います。そのデジタル技術に馴染みがあれば理解も深まります。
近年、デジタル技術の進展が加速度を増し、IoTやAI関連に精通した知識を持った人材が必要とされる場面が増えています。しかし、人手不足が深刻な今、IT人材を確保することは容易ではありません。
当社では、Vtuberを含めクリエイターの育成に注力しながら、県内企業のデジタル化推進に寄与していきたいと考えております。直近では、AIを活用した画像・動画制作や売上予測管理システム等の実装に向けて取り組んで参ります。
#ふくい前へ