事業所情報
課題・経緯
営業部門は製造現場の状況を把握することなく、売上を優先するあまり、最終的な利益に目を向けることができず、薄利多売となっていた。
また、製造現場は手書きで製品名や作業時間、材料の投入数等を記録。担当者の記憶や勘に頼っている部分が多く、また記入漏れも散見。そのため、製造部門は作業時間、製造コストアップの原因を明言できずにいた。
主な取組内容/相談先・コスト
記録する内容を見直すとともにABC(活動基準原価計算)を実施、製造原価を算出。手書きからExcel入力への変更し、記録用フォーマットの刷新、専任者の配置などを行い、正確な数値を把握することで、問題点の可視化を行った。
また、製品ごとの工程管理を一元化してExcelで管理するために製造原価管理システム「Aralead」を開発した。
システム導入に際し、工場にタブレット端末を設置して、作業時間等を入力、日報代わりにもなってペーパーレス化にも繋がった。
得られた効果と苦労したこと
「アラリード」を導入したことで、適正な生地のこね方や焼き加減など標準作業の認定による品質向上、工程計画との差異分析に役立った。製造現場の進捗状況を誰もが把握できるようになったことで、製造部門は問題が発生した理由を把握でき、営業部門との連携が密に取れるようになった。
また、「利益を生む」という同じ目標に対して、全社的にベクトルを揃えることができるようになった。
かつてAIによる工程管理システム導入失敗の経験があったため、「アラリード」開発において、システム制作会社にそのコンセプト、企画、管理画面の構成について、何度も相談しながら入念に調整。
上手く機能せず、コストだけがかかり、単にツールを取り入れるだけでは新たな障壁にぶつかるだけだと痛感。どのような仕組みで運用したいのか、どんな情報を集積したいのか等を丁寧に整理する必要性があると感じた。